ブロックチェーンの方向性 2017 4 22

 ビットコインなどの仮想通貨(暗号通貨)で使われている、
ブロックチェーンの技術が普及すれば、
今の銀行は、「絶滅危惧種」になるでしょう。

2017年4月21日の日本経済新聞Web刊には、このような記事があります。

「日本発」の仮想通貨技術、カンボジア中央銀行が採用

 カンボジアの中央銀行は、仮想通貨技術「ブロックチェーン」を使った新しい決済手段を開発する。
日本のフィンテックベンチャーのソラミツが開発した技術を使う。
 海外の中央銀行が、日本企業のブロックチェーン技術を採用するのは初めてとみられる。
決済システムの整備が遅れている国で、日本発の技術を生かした新しい決済インフラの開発が始まる。
 カンボジアでは、ATMなどの決済インフラが十分整っていない。
半面、携帯電話を使って簡単に送金・決済できる手段が急速に広がっている。
 カンボジア中央銀行は、こうした民間の動きに対応。
紙幣や硬貨といった従来の形にとらわれない決済手段の開発などを検討するもようだ。
低コストで安定した決済インフラの構築を目指す。
(引用、以上)
 最近の銀行は、「魅力的な融資案件がない」と称して、
ATM手数料や送金手数料を収益源とする方向で動いていますが、
ブロックチェーンの技術は、こうした手数料を安くする技術です。
つまり、こうした手数料をゼロに近づけようとする技術です。
 要するに、「銀行」と「ブロックチェーンが作る金融システム」は、
目指す方向性が、全く逆になっているのです。
 だからこそ、ブロックチェーンの技術が普及すれば、
今の銀行は、「絶滅危惧種」になるでしょう。

ブロックチェーン革命 2017 4 16

書名 仮想通貨で銀行が消える日
著者 真壁 昭夫  祥伝社新書

 仮想通貨とも暗号通貨とも言われるビットコインを支える技術である、
ブロックチェーンに関しては、この本が、一番わかりやすいかもしれません。
 さて、この本によると、
ブロックチェーン技術の特筆すべき点については、
「自動契約の連鎖」ということが書いてあります。
 コンピューター社会の現代においても、
いざ契約するとなると、契約書を印刷して、それにサインをする。
日本で言えば、契約書にハンコを押す必要があります。
(サインをする前には、社内では、決裁ラインが非常に長い)
これでは、ここで速度が落ちてしまい、大きく生産性が低下してしまいます。
 ここで、ブロックチェーン技術を使えば、
さらに、AI技術も導入すれば、
コンピューター同士による契約、
そして、その契約の「連鎖」が可能ではないかということです。
 ところで、日本では、欧米に比べると、
ビットコインのような仮想通貨の普及が遅れていますが、
東京オリンピックまでには、仮想通貨を広く普及させる必要があるでしょう。
 なぜかというと、オリンピックでは、多くの外国人が来日します。
外国へ旅行した時に、不便に感じるのは、現地の通貨に両替することでしょう。
両替するのが面倒と感じる上に、両替の手数料が高い。
 そこで、ビットコインを利用したくなるでしょう。
なぜならば、ビットコインは、「世界共通の通貨」だからです。
 たとえば、アメリカ人が、浅草で、抹茶のアイスクリームを食べたくなったとします。
抹茶のアイスクリームが、300円と表示されていたとすると、
事前にドルを円の小銭に両替しておく必要があります。
 しかし、抹茶のアイスクリームの値段が、
ビットコイン表示で、0.002BTCと表示されていれば、
スマートフォンに入っているビットコイン財布(ウォレット)で払えばよいのです。
 さて、日本で、仮想通貨が普及しないのは、
多くの人が、「仮想通貨は、得体の知れないもの」と考えているからでしょう。
 そうであるならば、日本最大の銀行である三菱東京UFJ銀行が、
仮想通貨(MUFGコイン)を発行すればよいのです。
 ただし、そうなると、現行の通貨(日本銀行券)は、衰退していきます。
なぜかというと、現行の通貨は、何をするにも、手数料がかかり、
その上、手数料が高い。
 それに比べれば、MUFGコインは、
ブロックチェーン技術を使っているので、
手数料が極めて安いものとなります。
普及のために、手数料をゼロにしてもよいでしょう。
やがて、企業は、争うように、日本銀行券よりもMUFGコインを使うようになるでしょう。
 そうなると、対抗上、中央銀行である日本銀行も、仮想通貨を発行するかもしれません。
つまり、中央銀行と民間銀行が、生き残りをかけて、仮想通貨を発行するのです。
 こうしてみると、ブロックチェーン技術は、
社会に与える影響が大きいので、「産業革命」に匹敵するでしょう。
 ただし、今度の「産業革命」は、派手なものではなく、
いつの間にか普及していきますので、「静かな革命」と言えるでしょう。




































































































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